日常。

読書、漫画、ラジオ、音楽(邦楽)、旅、本屋、家電量販店、録画を観ながら家事が主に好きなこと。 各種の感想と日頃思ったことの備忘録。

2019.1.11『まろやかな狂気2 夢眠ねむ遺言集』夢眠ねむ

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 2019.1.11『まろやかな狂気2 夢眠ねむ遺言集』夢眠ねむ

 

~正しい選択肢を選んで、“トゥルーエンド”にたどり着けますように。~

 

アイドルグループ「でんぱ組.inc」の元メンバー、夢眠ねむさんの著書。

遺言集という名の通り、夢眠ねむとしての活動全ての締め括りとしてまとめられた一冊。「夢眠ねむ」「でんぱ組.inc」「ボーカロイド」「たぬきゅん」etc…多岐にわたる彼女の活動の原点から最期までの経緯や裏側、また、それぞれの活動への強い想い、そしてこれからの展望や願いが多種多様な形式(本人へのインタビュー、でんぱ組.incや福嶋麻衣子や吉田豪との対談、ソロアルバム全曲歌詞解説、メイク・ヘアカット解説など)にて綴られています。

 

遺言集という名の所以でもありますが、2019年1月7日(月)に夢眠ねむさんはでんぱ組.incを卒業しました。本書でも卒業(=アイドル、そして芸能界を辞める)ことについて触れていますが、彼女はその理由を『完成したから』と打ち明けています。美術大学卒の彼女が、10年という歳月をかけて『夢眠ねむ』という自身の理想のアイドル像や作品を追究し続け、ついに彼女はその存在を完成させたのです。アイドルとして活動しつつ、一方、自分の追い求めるアイドル像とは何かというプロデューサー的視点で自分を見つめ、行動し続け、ついに夢を叶えたのだということが伝わってくる。読み終えたときに、卒業ということについての悲しさよりも「おめでとう」と祝いたくなる、ものすごく幸せでかっこいい遺言だと思いました。

 

この本を読んで強く心に残ったのは、「自分の夢・好き・理想を突き詰める」ことの大切さです。それを原点に持ち、考え続け、時には感情を剥き出しにし、言葉にし、行動する。『夢を叶えられる』人とは、その好きや理想の追究を諦めなかった人なんだと。それを体現したのが、『夢眠ねむ』というアイドルなんだと。

卒業・引退されますが、これからもずっと心に留めて応援していきたい、そんな人です。

 

そして彼女は、「たぬきゅんのプロデューサーと夢眠書店」という引退後の次なる夢があると綴られています。『夢眠ねむ』としての活動の時と同じく、自分の「好き・理想」を原点に彼女はこれからも進み、そして夢を叶えていくんだと、そう思います。

 

少しでも興味を持たれた方は、まずは是非、でんぱ組.incを聴いてみたり、調べてみたりしてみて下さい。一般的なアイドルとはまた違った魅力あふれるアイドルグループです。それから本書を手に取っていただくと、より一層、面白かったり、心にぐっとくるものが感じられるかと思います。

ではでは。